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晴漕雨読、ときどき山林

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伝える職人

「記者になりたい!」 池上彰

著者は、NHKの「こどもニュース」のお父さんだった人。
前作もわかりやすい内容だったので、読んでみました。

今回の本は、自分が記者になろうと思ったきっかけから、学生時代、記者時代、キャスター時代など、ニュースに携わった今までのことがらを語っています。

前編を通していえるのは、作者はいつも
 「どうやったらわかりやすく伝えられるだろう」
ということを考えていること。

それがテレビ番組「週間こどもニュース」によって、さらに進化した、というかんじ。

この本のおもしろさはたくさんある。

まずは、記者時代のニュース裏話。

テレビ番組の中のニュースでは、どうしても時間が限られてしまう。
伝えきれないことがたくさんある。
津波で子供を失ったお父さんが、誰にも見られないように遠い林まで行って泣く姿だとか、被災した子供立ちは穏やかな死に顔だったとか、そういったことがら。
羽田空港沖に墜落した飛行機を映すために滑走路を走った話だとか。

ああ、この人は重大事件の現場にずっと立ち会ってきたのだな、とつくづく思う。

またこの本は、メディアについても知ることができる。

昔は新聞が一番発言力があった。
でも、テレビの時代へと移った。

映像の力はすごい。
しかも速報性がある。
警報を呼びかけることにより、災害から視聴者を守る力もある。

今後はインターネットの検索でヒットされるニュースへと移っていくのだろう。
でも、誰の手にも編集されないニュースは、どうなっていくのだろうか?

作者は、やっぱり一記者として今後も活動したい、ということで、最近NHKは辞められたそうだ。
たしかに、ただニュースを解説しているだけではもったいない。
もっともっと、いろんなことを取材して、見て、感じて、それらをわたしたちに伝えて欲しいと思うのだ。

今後もこの作者の本は楽しみ。
by megumi510 | 2008-09-03 21:38 | 読書