「しゃべれどもしゃべれども」 佐藤多佳子
映画化もされて、前々から気になっていた作品。
主人公は、中堅の落語家。
そこへうまくしゃべれない同級生、女性、小学生、元野球選手が集まってくる。
ついでに落語のおもしろさ、落語会のしくみ、などなどもわかって、なかなか楽しい。
佐藤作品は初めて読むのだけれど、なかなかうまい作家でした。
ほかの作家にはない表現力があります。
見えないもの、気持ちや、空気感、匂い、音などなどが作中にあります。
最終的には大きくは変わらないのだけれど、明るい気持ちになれる小説です。
おすすめ。
そして、特にうれしいのが、色の表現。
落語にちなんだ作品だからなのかどうかはわかりませんが、
若竹色、銀灰色、浅葱色、小豆色、などなど
日本の伝統色がたくさん出てきます。
ちなみに、浅葱色って、何色か知ってますか?
実は薄い水色なんですよー。