人気ブログランキング | 話題のタグを見る

晴漕雨読、ときどき山林

kazukyonn.exblog.jp
ブログトップ

日本人の哀しさ

「観光の哀しみ」 酒井順子

「負け犬の遠吠え」でおなじみの酒井さんのエッセイ。
かなり昔に書かれたもの。
これもまたブックオフで安かったので、読んでみた。

わたしは基本的に観光はしない。
出かけるときはカヤックか自転車かスキーをしに行くからだ。

観光そのものが好きじゃないっているのもある。
そもそも、観光って楽しい?

観光に出かけて、なんだか居心地の悪いかんじがするのは、なぜ?
それは「呼ばれてもいないのにのこのこ出かけてきてるから」。
・・するどい。

海外旅行における日本人男性の心元なさ。
これは「負け犬の遠吠え」へ考察が続いてるかんじがする。
なぜ最近の女性は結婚しないのか?
ここにその答えの片鱗が。

京都は観光されることで成り立っている街だけれど、実はランクによって隔離されている。
(これは最新作「都と京」へ考察は繋がっている)
などなど。

一緒に旅行へいく同姓の友達は、「自分が男だったらこの人とセックスできるか?」がカギだという。
ちなみに、男女の間だったらすでにそれは考えられてるはずだから、旅行しても問題ない。
うーん、いいえて妙。
四六時中一緒にいるわけだから、好きな相手とじゃなきゃあ旅行なんてできない。
同姓との旅行はこのへんが忘れがち。
でも大事なことよね。

酒井さんは上品な語りでありながら、かなり鋭くずばずばと本質をついている。

作者は、「いいところのお嬢さん」っていうイメージがあったのだけれど、一人旅は着替えを持っていかないとか、テント泊もオッケーとか、意外な一面がなんだかうれしい。
by megumi510 | 2007-01-11 23:05 | 読書