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晴漕雨読、ときどき山林

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大切なもの

「東京タワー-オカンとボクと、時々オトン」リリー・フランキー

リリー・フランキーは前から好きだった。
テレビ番組「ココリコミラクルタイム」で妙なコメントをする人。
エッセイもちょっと下世話なんだけど、好き。

で、この小説。
いい意味で裏切られました。

いつもの破天荒なかんじではなくて、かなりまじめな小説。

九州で生まれて思い出せるはじめての記憶から始まり、母親オカンのお葬式までを書いている。
家族って何? が繰り返し、繰り返し問いかけられている。

ヤクザが職業らしきオトンがなかなかいい。

特に気に入ったのが、
息子である主人公が、大学を卒業しても就職しないでプータローをする、ときいて、
「何ごとも5年は続けないとあかん。仕事をしないなら、仕事をしないで5年は過ごせ」
みたいなことを息子に言うくだり。

それは世間一般の常識とは違っても、一本筋が通った哲学をもってるところがかっこいいのだ。

後半は、母親とのせまり来る別れ。
泣けます。
by megumi510 | 2005-08-02 13:13 | 読書