「東京タワー-オカンとボクと、時々オトン」リリー・フランキー
リリー・フランキーは前から好きだった。
テレビ番組「ココリコミラクルタイム」で妙なコメントをする人。
エッセイもちょっと下世話なんだけど、好き。
で、この小説。
いい意味で裏切られました。
いつもの破天荒なかんじではなくて、かなりまじめな小説。
九州で生まれて思い出せるはじめての記憶から始まり、母親オカンのお葬式までを書いている。
家族って何? が繰り返し、繰り返し問いかけられている。
ヤクザが職業らしきオトンがなかなかいい。
特に気に入ったのが、
息子である主人公が、大学を卒業しても就職しないでプータローをする、ときいて、
「何ごとも5年は続けないとあかん。仕事をしないなら、仕事をしないで5年は過ごせ」
みたいなことを息子に言うくだり。
それは世間一般の常識とは違っても、一本筋が通った哲学をもってるところがかっこいいのだ。
後半は、母親とのせまり来る別れ。
泣けます。