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青梅大祭を見に行こう

毎年青梅で5/2と3に開催される「青梅大祭」。
ニュースなどでも取り上げられないので、なんだかあまり知られていない。

実は、青梅市に20年以上住んでいながら、去年の春に初めて青梅大祭を見に行きました。
青梅駅付近で大きなお祭りがあるらしいとは知っていたのですが、連休中で人がたくさんいる中を行くのもな‥なんて思っていたのです。

実際に見てみた感想は、
 なにこれかっこいい!

山車に太鼓や笛のお囃子が乗っていて練り歩き、道々に建っている櫓(やぐら)に待ち構えている太鼓や笛のひとと合奏する。
すごい迫力の、音楽のセッションのお祭りでした。

演奏しているひとたちはみんな、子供のころから練習をしているので、めちゃくちゃこなれている。
山車ごとに微妙に違いがあったりして、いくつもの山車が集まってセッションしたり、すごいお祭り。

***

今年ももちろん見に行きます。

でも、祭の背景を知っていれば、もっとおもしろがれるのでは??
と思い立ち、FBに書き込んだところ、「村野公一さんが適任でしょう」と教えてもらいました。

さっそく村野さんにコンタクトをとって、祭講座をやってもらうこととなりました。
特別講座 「江戸の祭りを受け継いだ青梅の祭りの魅力を知る」
青梅大祭を見に行こう_b0033639_22034205.jpg
話は、徳川家康が江戸を作ったところから始まる。
264年もの間、戦争もなく続いた都市は世界でも歴史上なかったことなのだとか。

山王祭は、元々は6,7月の水が腐って疫病が流行る時期に、疫病除けとして始まったもの、
神事と祭礼が分けられて庶民が参加できるようになってから、一気に華やかになったようす。

「附け祭」と言って、町ごと持ち回りで意表をつく山車を作ったり、流行りの歌舞伎をコピーして小さな舞台をやったり、祭に参加するものだったのが、見る・見られるのを意識するようになってきた。

山車は江戸城の門をくぐったり、狭い道を通れるという制約があったため、3段の山車が入れ子状に縮む仕組みがあったり、軽くする必要があった。
山車は、二輪で小回りがきくようになっていた。

明治が始まって神仏習合で徳川に由来するお祭りができなくなってしまった。
ただ、江戸の完成形のお祭りが残っているのが、青梅の祭。

青梅は、薪炭の流通を担うために作られた都市。
なので、町の長さが均等になっていて、税金も均等にかけられるようになっていた。
(ちなみに、八王子も同じ仕組み。)
その後、青梅周辺で作られていた織物や綿製品が「青梅ブランド」として流通していた。

その青梅と残された江戸の祭が出会ったのが、「青梅大祭」。

江戸っぽさが随所に残っている。
それは「粋(いき)」の精神。
花がけ(寄付金を張り出す掲示板)、オモテは地味でも裏地が派手な着物とか、根付とか、5枚重ねの草履とか。

江戸じめは三、三、三、一を3回やる三本じめ。
青梅じめは、三、三、一。
最後の一回がピタリと揃うところが大事なのだそうだ。

青梅じめがゆっくりなのは、祭の花形の木頭(きがしら)が一緒に拍子木を打つため。
特に青梅は拍子木がよその地域よりも大きめなのだそうで、素早いリズムで打つことができない。
そんな理由からなのだそうだ。

そんな江戸の祭、青梅の祭について、たくさんの図版で説明してもらって、めちゃくちゃ詳しくなれた気分。
3時間があっという間でした!

***

江戸っぽさが随所に残った青梅大祭。

今年は5/2(水)、3(木)ともに夜10時まで見られる。
よそへ出ているひとも、この日は青梅に戻ってきて祭を楽しんでいる。
ぜひ、見に行ってほしいです!



by megumi510 | 2018-04-23 21:24 | 雑談