人気ブログランキング | 話題のタグを見る

晴漕雨読、ときどき山林

kazukyonn.exblog.jp
ブログトップ

琉球王朝の世界にはまってました

「テンペスト㊤㊦」 池上永一

前作「シャングリ・ラ」もすごくよかったのだけれど、さらにおもしろかった。
前回の本屋大賞にノミネートされていたり、好きな書評家豊崎氏の評価も高くて気になっていた小説でした。
でもでも、手を出すには躊躇していたんです。
だって、上下巻で900ページの2段組。
かなり長いので、心して臨まないといけないのです。

わたしは仕事が立て込むと、旅行などへ行く代わりに本の世界に浸ります。
なのでお盆前の忙しくなってきたころ、読書開始。

明治維新前の沖縄が舞台。
政治や文化で周りの国々と渡り合ってきた琉球王朝。
女には学問や政治に参加するチャンスがない時代に生きる、才能がありながらも夢を実現できない女の子が主人公。
けっきょく、宦官(性転換した男性)だと偽って、その競争に参加します。

ぐんぐん頭角を現し、でも性別を偽っているために障害があったりして。

主人公はただただ国のためを思って動くのだけれど、それが自分の首を絞めることになったりして、翻弄されるのです。

薩摩藩の侍との恋物語などもあったりして、そちらもどきどきしながら読み進みます。

分厚い本があっという間に読み終えてしまいました。
主人公の立場が生きた、すっごーくおもしろい小説でした。
今年一番の小説です。
超おすすめ。
by megumi510 | 2009-08-18 08:07 | 読書