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晴漕雨読、ときどき山林

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息苦しい

「最悪」 奥田英朗

本屋の店頭でなんとなく読みたくなって、買ってみた。
この人の描く最悪は、ほんとに最悪だからなー、とずっと敬遠していた小説。

で、予感は的中。
小説で描かれている世界は最悪で、一刻も早く読み終わりたかったです。

小さな町工場の社長、無職でパチンコしてふらふらしている20歳の男、上司にセクハラされた女子銀行員の三人が主人公。
それぞれがピラミッドの底辺であがいていて、しかもタイミング悪く「最悪」な事態に陥っていく。
真綿で首を締められる、という形容がぴったりな展開。

奥田英朗はこの小説を書いて、もっとプロレタリアートなものを書きたくなったんだろうな、と思った。
ギャグとかではなく。
「オリンピックの身代金」がここから生まれたのかな?と思った。

とにかく、避けることのできない理不尽さで、もうもう、息苦しかった。
実直に生きているだけなのに、間が悪くて人を殺したくなる瞬間、というか。
でも実際にこんな世界に生きている人もいるのだろうな、と思うと、なんだか憂鬱になるね。
by megumi510 | 2009-05-08 23:08 | 読書